2023/04/19 12:00



看板と言えば、道路沿いなどの広告構造物を思い浮かべる人が多いでしょう。しかし、看板の歴史は古く、古代エジプトやローマでも商品やサービスを壁画や彫刻で宣伝することがありました。現代的な意味での看板として認められるものは、19世紀後半から20世紀初頭にかけて発展したもので、産業革命や都市化、そして電気やネオン管などの技術の進歩によって大きく発展しました。

世界初の看板と言われるものは定義が異なるため明確な答えはありませんが、フランス・パリで1912年に登場したネオン管を使った広告サインや、アメリカ・ロサンゼルスで1923年に建てられたハリウッドサインが特に有名です。

日本でも江戸時代から商店や宿屋などが看板を掲げていましたが、西洋式の看板は明治時代に入ってから徐々に普及し、木製や鉄製のものが多かったですが、やがて電飾やネオン管なども使われるようになりました。また、日本独自の看板文化として、大正時代から昭和時代にかけて流行した「太郎看板」や「花子看板」が有名です。これらはキャラクター型の看板で、店舗や商品のイメージを親しみやすく伝える効果がありました。

現代でも、看板は広告手法の一つとして広く利用されており、ステッカーやポスターなど様々な形式が存在します。また、インターネット広告の発展によって、デジタル看板も注目を集めています。しかし、看板は単に広告媒体としてだけでなく、建築物の一部としても美しくデザインされることがあり、観光名所として人気があるものもあります。

看板は多様で豊かな歴史を持っています。その歴史から、広告だけでなく、建築物の一部としての役割もあることが分かります。今後も、新しい技術の進歩によって、より多彩な看板が生み出されることが期待されます。